2016.11.10 フード

ふつうの泡盛と何が違う? 古酒の特徴を知って泡盛通への第一歩を踏み出そう

沖縄を代表するお酒といえば、やはり泡盛です。他のお酒にはない独特な味わいに、すでに虜になっている方もいるのではないでしょうか?
そんな泡盛には、古酒と呼ばれる種類があります。古酒とはその名のとおり、古い泡盛のこと。長い期間、熟成させることでまろやかな味わいを生み出しています。

そこで今回は古酒にスポットを当て、特徴や定義、作り方などについてご紹介します。

古酒って何? どれくらい熟成させたらいいの?

3本の泡盛
泡盛の魅力は、年月をかけて熟成させることで味わい深い“古酒”に育てられるところ。瓶(かめ)や壺などに入れて寝かせることで甘い香りを持つようになり、飲んだときの舌触りもまろやかになります。その芳醇さは、かつて琉球王国を訪れたペリー一行がブランデーに喩えたほど……。新酒の泡盛にはない、古酒ならではの深い味わいに、ペリーも夢中になったんですね。

では、泡盛を立派な古酒にするためには、どれくらいの期間、熟成させればよいのでしょうか?

元々の規定では、全量の5割以上を3年以上熟成させた泡盛が占めていれば“古酒”と表記してよいことになっていました。しかし、この規定は2013年10月10日に改正され、2015年8月1日より全量を3年以上熟成させた泡盛が占めている場合にのみ、“古酒”と表記してよいことになりました。
5年や7年など古酒年数を明確に記載している泡盛の場合は、全量が表示されている年数以上、熟成された泡盛でなければなりません。つまり、5年古酒であれば全量が5年熟成された古酒、または5年古酒にそれ以上熟成させた古酒をブレンドしなければならないのです。

昔ながらの技術が生み出す、100年古酒

古酒と一口に言っても、熟成にかける年数はさまざま。一般的には5年や7年が広く知られていますが、なかには100年もの期間、熟成された古酒もあります。

100年古酒を作るためには、ただ熟成させるだけでは不十分。古酒にする泡盛のアルコール度数がどれだけ高くても、そして古酒になるための成分をどれだけたくさん含んでいたとしても、そのまま熟成させるだけでは100年経つ前に水に戻ってしまうかもしれないのです。水になるのを防止するためには、琉球王朝時代から伝わっている“ある技術”を取り入れる必要があります。その技術こそ、“仕次ぎ”なのです

仕次ぎとは、年代ものの泡盛にそれより少し若い泡盛を注ぎ足すことで、泡盛の劣化を防止しながら古酒を作り出す手法のこと。熟成させる古酒に若い泡盛をプラスすることで、香りや芳醇さを損なわせることなく、年代物の古酒を作ることができます。
仕次ぎ
仕次ぎの方法としては、まず壺を3つほど用意し、最も古い泡盛“親酒”をひとつめの壺に入れます。この壺から古酒を汲み取ったら、減った分を若い泡盛で補います。そして減った若い泡盛には、さらに若い泡盛を足し補います。このように泡盛を循環させることで、古酒特有の香りと深い味わいを維持しているのです。

ぜひ飲んでみて! 泡盛マイスターおすすめの古酒はコレ

マイスターおすすめ古酒
SANCHU!の「泡盛って実はヘルシー! 泡盛マイスター直伝の魅力をご紹介」の記事内で、仲宗根佑希さんと比嘉裕子さんに、おすすめの泡盛をご紹介いただきました。その際、お二人はなんと古酒をあげていたのです! そこで、以下にてお二人におすすめいただいた泡盛の特徴や味わいをご紹介します♪

仲宗根さんおすすめ -崎山酒造廠の3年熟成古酒「松藤」-
松藤は、大人の香り漂う品のある古酒。「何気ない日常のなかで、ちょっとした贅沢な一時を過ごしてほしい」という、作り手の想いが込められています。舌と喉で味わえるなめらか、かつしっとりとした味わいに、きっとあなたも心を鷲掴みにされるはずです。

比嘉さんおすすめ -石川酒造場の5年古酒「甕仕込(かめじこみ)」-
甕仕込は、その名の通り甕仕込み製法で作られた100%5年古酒。古酒ならではの甘い香りが特徴で、甕ならではの奥深い味や深みのあるコクを感じることができます。作り手のこだわりがたっぷり詰まった一品は、自身で味わうだけでなく贈り物にもピッタリです。

今夜の晩酌に古酒はいかが?

いかがでしたか? 数ある泡盛のなかでも古酒は、特有の風味と味わいを持つ極上の一品。この機会にぜひ、古酒の甘い香りとまろやかな舌触りを体感してみてください。好きな泡盛を用意して、仕次ぎにチャレンジしてみるのもよいかもしれませんね♪

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